水星と、タルホの月

水星を見に出かけた。
西空低くまで見渡せる場所に来ると、
左後ろと右横と右斜めが墓地、
暮れなずむ中を笹が揺れ、蝙蝠が舞う。
西の山際は薄赤く染まったまま、なかなか闇が下りない。
時折車が往き来し、散歩の人影もある。
一番星にもずいぶんじらされた。
振り返った頭上にアルクトゥールス。麦星。

山の方でホトトギスが啼いた(今年初)。
続いてヒーヒーとトラツグミらしき声。
能登ではか細く濡れたような音色だったが、
播磨のは油の切れた渇いた声、どちらが<ぬえ>らしいか。
北斗〜麦星〜真珠星のカーブが辿れるようになっても、
山際はまだ赤く、思ったより霞んで、雲もあった。

結局水星は確認出来ず、町へ下っていく途中、
ぎょっ、とするほど、赤く大きな月に出くわした。
ほぼ、目の高さ。
この町になんの用だ、と頓珍漢な感覚はそのせい。
なるほどこんな月と何回も出会うと、一千一秒物語だと納得する。
月と言うより、太陽の大きさだと思ったが、
よく考えてみれば、月も太陽も見かけの大きさは同じだった。
この日、40万キロを越えて最遠だというのに、生涯最大に見えた。
[PR]
by r_bunko | 2008-05-20 23:48 | 天文
<< Mal Waldron - F... 麦の秋 >>



詩と、絵と、ジャズと……星と鳥と……漂泊文庫便り
by r_bunko
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新の記事
三日月散歩
at 2014-07-29 23:47
四つ葉のふうら杖
at 2014-06-30 23:54
GWW —ボブ・ディラン
at 2014-05-24 23:50
田舎の細道 —ジプシー・スイング
at 2014-05-18 12:57
ときにはシュール
at 2014-05-11 22:51
金屑と薔薇でフラメンコ
at 2014-05-10 23:30
草の筆で描いた2
at 2014-04-20 23:59
草の筆で描いた
at 2014-04-16 19:07
草の筆いろいろ
at 2014-04-16 19:02
春は五感満開
at 2014-04-14 23:51
カテゴリ
全体
アート
音楽
本・電子本
獏・夢
自然
天文
野鳥
ふうら散歩
北条石仏
播磨
HP・PC・WWW
さまざま
タグ
(73)
(63)
(62)
(46)
(38)
(37)
(36)
(36)
(35)
(31)
(31)
(31)
(29)
(28)
(27)
(25)
(24)
(23)
(21)
(19)
(17)
(15)
(14)
(14)
(13)
(5)
(5)
(3)
(2)
(1)
以前の記事
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
more...
リンク
お気に入りブログ
絵的生活
他力本願!
書をつま弾く、そして歌う。
ふらんす堂編集日記 By...
マリカの野草画帖
イーハトーブ・ガーデン
詩画倶楽部
ギャラリーきのこ
絵てがみに だんだん
あぴあみのポッケ
粥彦( のほほん社 )
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧