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初音を聴いた、初蝶を見た
風がなく散歩日和、午前中に出た。
コースは南、いつ以来だろう。
山蔭の池にオシドリを見かけた、という去年の情報に乗って、
のらのらの獏的夫婦は行動する。

初音を聴いた、初蝶を見た_c0028055_1936642.jpg

町を抜けて、サザンカの大木の跡に寄った。
白い花をいっぱいに着ける名木であった。

  村の入口に
  咲くサザンカはもう無い
  大きな木の
  ましろの
  百千の花は空中に帰った
  切株では
  体は休めても
  魂はやすらがないだろう
       —山茶花 2013

ふうらが一人切り株の上に立って、往年の花を夢想する。幻視する。
(伐られた直後の写真はこちら)(花満開の写真はこちら

こういう村の出入口に立つ木は、みんなが歩いていた時代には
とても大切にされ、愛着されていたのだと思う。
犀川べりの大桑村の大コブシの木が思い出されて懐かしい。

初音を聴いた、初蝶を見た_c0028055_1932377.jpg

この日は雲が獏的であったり、豚的、羊的、鰐的であったりした。
竜の落とし子に似た雲もあったし、交尾している雲(?)もあった。
また上部が真っ白で、下部が濃い灰色、変に立体的で、
フォトショップでシャドウ効果か、3D加工を施したような、
珍しい一群も浮かんでいた。

足もとには次々に咲き出した草花たち。
オオイヌノフグリに続いてホトケノザも盛りを迎えて、青と赤、
そこにハコベ属の白も混じって、微小なものたちの時代が続く。
山へ向かうから幾つかの坂はこたえたけれど、
八重紅梅で休み、コガモのいる小池で休みして、
最後に竹林の中の小径を潜り抜けると大池の上に出た。

居たのはマガモ四羽。
当てにしていたわけではないので、別にがっかりもしない。
カワラヒワの声がして、電線に二羽、
ジョウビタキの声があたりをうろうろして、
下の池からはコガモのホイッスルが聞こえてくる。
そうしているうちに、ウグイスが初音を鳴いた。一度だけ。
堤の上ではキチョウが舞った。今年の初蝶である。

最初に道を間違えて、えらく急な坂道を無駄に登ったぶん、
呼吸(気管支)に難のあるものと、
歩行(踵の骨)に難のあるものは、それなりに疲れたけれど、
でもいい散歩だった。
by r_bunko | 2014-03-09 19:36 | ふうら散歩
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詩と、絵と、ジャズと……星と鳥と……漂泊文庫便り
by r_bunko
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