風がなく散歩日和、午前中に出た。
コースは南、いつ以来だろう。 山蔭の池にオシドリを見かけた、という去年の情報に乗って、 のらのらの獏的夫婦は行動する。 町を抜けて、サザンカの大木の跡に寄った。 白い花をいっぱいに着ける名木であった。 村の入口に 咲くサザンカはもう無い 大きな木の ましろの 百千の花は空中に帰った 切株では 体は休めても 魂はやすらがないだろう —山茶花 2013 ふうらが一人切り株の上に立って、往年の花を夢想する。幻視する。 (伐られた直後の写真はこちら)(花満開の写真はこちら) こういう村の出入口に立つ木は、みんなが歩いていた時代には とても大切にされ、愛着されていたのだと思う。 犀川べりの大桑村の大コブシの木が思い出されて懐かしい。 この日は雲が獏的であったり、豚的、羊的、鰐的であったりした。 竜の落とし子に似た雲もあったし、交尾している雲(?)もあった。 また上部が真っ白で、下部が濃い灰色、変に立体的で、 フォトショップでシャドウ効果か、3D加工を施したような、 珍しい一群も浮かんでいた。 足もとには次々に咲き出した草花たち。 オオイヌノフグリに続いてホトケノザも盛りを迎えて、青と赤、 そこにハコベ属の白も混じって、微小なものたちの時代が続く。 山へ向かうから幾つかの坂はこたえたけれど、 八重紅梅で休み、コガモのいる小池で休みして、 最後に竹林の中の小径を潜り抜けると大池の上に出た。 居たのはマガモ四羽。 当てにしていたわけではないので、別にがっかりもしない。 カワラヒワの声がして、電線に二羽、 ジョウビタキの声があたりをうろうろして、 下の池からはコガモのホイッスルが聞こえてくる。 そうしているうちに、ウグイスが初音を鳴いた。一度だけ。 堤の上ではキチョウが舞った。今年の初蝶である。 最初に道を間違えて、えらく急な坂道を無駄に登ったぶん、 呼吸(気管支)に難のあるものと、 歩行(踵の骨)に難のあるものは、それなりに疲れたけれど、 でもいい散歩だった。
by r_bunko
| 2014-03-09 19:36
| ふうら散歩
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