ジャズ喫茶「ヨーク」の奥井さんが亡くなって10年経った。
あの年はこちらも恐慌状態で、見舞いにも行けず、 最後の言葉も交わせずに逝かれてしまったことが今なお無念。 縁もゆかりも無かった北国にあれだけ長く暮らせたのは、 街にすばらしいジャズ喫茶があったこと、 二本の川が流れていて、その一つの畔に住めたこと、にある。 写真は《片町ヨーク》時代の青い円筒形スツール。 片町店の最後の夜につきあって、記念に戴いた。 絵を描く時の椅子や、いろんな際の補助椅子としていまだ実用。 この上に乗って店内の照明ランプを取り替えていた奥井さんの姿も懐かしい。 うしろのアルバムは左から: Jack DeJohnette featuring Lester Bowie / ZEBRA Teo Macero with the Prestige Jazz Quartet / TEO Loui Armstrong / his greatest years vol.4 折々にマスターに貰ったもので、いずれも愛聴盤になっている。 田舎に引っ込んでからこの10年、 ジャズ喫茶というものへは、神戸元町の「JamJam」へ一度行ったきり。 アルバムも整理して簡素に聴くことにしていたはずが、 ディック・ツワージクを知ったり、バリー・ハリスを聴き直したり、 その度に、奥井さんがいれば話を聞いてみたかった、と痛切に思う。 いま流れているテオ・マセロの一曲目「Ghost Story」、 マルの作曲だけれど、この幻想的で美しい演奏の中から、 奥井さんの幽霊でも現れて来ないものか。 あちらの世界に戻せないほど、聞きたいこと話したいことがいっぱいある。 せめてあれだけジャズが体に馴染んだ人の、ベスト10枚。 だれか生前に聞き出していないものか。 どれもこれも愛しているので、選べない選ばないだろう、と承知の上で。
by r_bunko
| 2013-06-17 23:59
| 音楽
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