タグ:俳句 ( 36 ) タグの人気記事
ウソとハートとキツツキ
西か東か、三鬼の忌。
でも北に行った。
山裾の桜林。
鷽(ウソ)に会いたかったのだ。

  鷽鳥に会いに四月の第一歩

寒かった今年は花が一斉に咲いている。
梅こそ終わったが、連翹、雪柳、木瓜、梨、木蓮、そして桜。
足下には蒲公英、仏の座、姫踊子草、薺、種付花、胡瓜草。
菜の花や蓮華も畑を彩って、土筆もつくつくと出ている。
菫や水仙はいろいろな種類が楽しめる。

c0028055_23224458.jpg

畑にはハートも咲いていた。
四つ葉の羽がくるくる回る風向計。
春風には相応しい風景だね。
この畑の持ち主は、古い荷車を小川の橋に使ったり、
遊びのセンスがいい。どんな人だか知らないけれど。

さて、背高桜林。
猪対策の柵だらけで、径は一本。畦を伝って池から登る。
暢気に鷽と蕾を愛でるつもりが、七分か八分の咲きよう。
この東屋を桜の書斎にしたいと夢見たこともあった。
誰も訪れないのか、二面ある大机はうっすら緑の苔か黴。
ウソ吹きはいなかったけれど、キツツキが来た。

c0028055_23233075.jpg

[PR]
by r_bunko | 2014-04-01 23:32 | 自然
燕が来た sanpo
なかなか、ぽかぽかこない。
気温も低く風もあるが、適度に散歩しないと。
相棒は朝方、町外れの山に登ってヤマガラを見たらしい。
あののんびりした歌声は春を感じさせるね、
いいね〜、うらやましいね〜、と
夕刻一人でいつものコースに出た。

町を抜けるまでの家々の庭に、
ボケ、ミツマタ、ミモザなどを楽しませてもらっていると、
不意に空き地の空を切って翻った鳥がいた。
ツバメの第一羽で、来た頃は高くを飛ぶ。
しばらく無かったスピードが空に戻って新鮮。
雲もすこぶる速い。

村へ出て、畦道や農道をぶらぶら、
タンポポ、ホトケノザの彩り、ヒメオドリコソウもぽつぽつ。
ちょっと欲ばって山麓の神社まで坂を登ってみた。
ジョウビタキに迎えられ、ウグイスの声を聴き、
このあたりのツバキの深く美しい色合いを渡って歩く。

c0028055_22145354.jpg

鳥に出会うなら、この先の山池コースなのだが、
神社周辺で猪が三頭捕まったという話を聞いたばかり。
それでもコジュケイはお構いなし、
「ちょっと来い、ちょっと来い」と誘ってくれる。

  小綬鶏に呼ばれたまでは記憶せり

などということにはならなかったものの、
日照雨が降って、狐の嫁入りがあった。
[PR]
by r_bunko | 2014-03-21 22:18 | ふうら散歩
獏は雲に乗って
畦道を茹でて……どうとかこうとかの俳句を夢で作っていた。

川の切り売りを買ってくるとかいう話は、
ブローティガンの短編集にあってお気に入りだったけれど、畦道はどうか。
川には鮒がいたり泥鰌がいたりする。庭に設置すると楽しいだろう。
畦道にも季節によっては蛙や蛇がいる。
鼠年生まれだから蛇は勘弁で、草がまだ繁る前の今ごろがいい。
タンポポがぽつぽつ、ホトケノザ、ナズナなど咲いて、
オオイヌノフグリの青い星が散らばっているとなおいいだろう。
それを書斎に置いておくと慰むのだけれど、
夢では茹でるというから、何かパスタ料理のレシピがあるのかもしれない。
早春の畦道ならあくもなく、ちょうどいい味が出て美味しそう。

と、夢に嵌ってしまうのは三月七日魚座生まれの性癖か。
モンドリアン、ラヴェル、安部公房、石川淳、林静一らの誕生日。

こんな俳句があるけれど、
  富士に傍て三月七日八日かな  伊藤信徳
旧暦だから、もっと暖かくなった頃の春蕩々の旅中の吟。

こちらは昔の拙句、
  三月の七日土方さんの兎  草々子(十露)
土方巽は九日生まれで、九日生(くにお)。
二日早い1987年のこの日目黒のアスベスト館に泊めてもらった。
館主は一年前に亡くなって、可愛がっていたという兎のバロンがいた。

iTunesのシャッフルはレスター・ヤングから始めてくれ、
いまはYouTubeでラヴェルをリレーして聴いている。
c0028055_22443155.jpg
オシドリ探索の誘いもあったけれど、風が強くて諦めた。
瓶に挿してある青軸の梅が一輪咲いてくれた。
相棒はこの日獏の雲を見たそうで、それを描いた抹茶ケーキをどーんと。
獏は雲に乗って、ケーキに乗ってやって来る。
[PR]
by r_bunko | 2014-03-07 22:48 | 獏・夢
啓蟄の雪と蕗の薹
啓蟄と聞くと、ごそごそ這い出したくなる。
嬰児の頃もそんなで一月も早く飛び出してきたのだろう。
未熟で、早熟で、草々子ときてるから、
生きるのは、うん、苦労したな。

朝の光につられてドアを開けたら、雪が踊っていた。
午前の日和見。
昼下がりの光にはほんとうに連れ出された。
ヒバリの歌を聴きたい、と
水の代わりにゼリー飲料を持たされて。

町を抜けて郊外の耕作地に出た辺りで翳って、
さすがにここでは引き返せず、
寒さにこらえて農道を巡っているうちに雪、いっときは吹雪いた。
(といっても雪国のにくらべると可愛らしい吹雪)

  啓 蟄 の 空 か ら 白 い 虫 の 降 る

こんな日のステージにはヒバリは登らない。
ムクドリとヒヨドリの鋭い地鳴き。
それからチッとか細い声のありかを探して、ホオジロ。

c0028055_2031931.jpg

蛙や蛇にはお目にかからなかったが、
土を割って元気なフキノトウの一群と邂逅した。
[PR]
by r_bunko | 2014-03-06 20:05 | ふうら散歩
桃の日に、バイクで、バスで
晴の予報で、浮遊微粒子は少ない模様。
ただ風が強くて冷たいとか、一応双眼鏡を忍ばせて。
ついでに携帯用カイロも。

バス停に向かう途中、なぜか雨がぱらついた。
息切れを考慮して早めに出た分、長く待つことになる。
そこへどっどっどっと大型バイクが二台入ってきた。
ベンチの後ろに停めて、ヘルメットを脱ぐと一人は女性。
ショッピング・モールに用事があるわけじゃなく、
雨も寝言のように降っただけなので、
タバコを吸いたくて休憩したようだ。
バスが発車する前にどっどっどっと行ってしまった。

  桃 の 日 の ど ど ど 大 型 バ イ ク 乗 り
  ハ ー レ ー の 二 台 で 男 雛 女 雛 ゆ く

神戸ナンバーの男女を見送って、こちらは山上の病院。
雛壇ならぬ廊下に並ぶほとんどが老人たち。
前回四つの検査80分を受けて、
この日予約より20分遅れ、結果説明を5分ほど聞いた。
まあ懸念事項は消えてなによりだけれど、
疾患に関しては「この薬のまま数年いきましょう」。
数年を喜ぶべきなのか、哀しむべきなのか、
まあ覚悟もあったことだから喜んでおこう。
楽しみの散歩は取り止め。雲が多く、風も強い。
行きも帰りもバスの乗客は一人だけ。
[PR]
by r_bunko | 2014-03-03 19:45 | さまざま
十露三百六十五句
「十露一句」が一年、365句と一巡りした。
ひょんなことから始まって、飄々体でやったのが良かったのだろう。
最後は病床、病体であったけれど、そこは俳句の強み、
世界の一片、永遠の一瞬で事足りて、文芸は成立する。
まあ、出来映えはともかく、日記類の苦手な身としてはよく続いた。
何事も簡素、素心をこころがけているから、
俳句も淡口、薄味になる。とこれは体のいい言い訳で、
その上での深みが出せなかった、というのが現在の力量だろう。

ざっと振り返って、十句ほど選んでみた。

  野遊のこどもらみんな神隠し
  春昼といふ金色の湯舟かな
  雨二日あぢさゐ軽き躁に入る
  花南天雀の喧嘩のちーぱっぱ
  風鈴を吊るせば風が客となる
  空に鞭入ればいななく風の馬
  山盧忌や盆地を出でぬ草の絮
  朝寒やがらがらがらと妻歌ふ
  虫喰ひの穴は枯れずに日の光
  心根も大根も干して甘くせり

別の時に当たればまた入れ替わりがあるだろう。
けっこう迷いもあっての十句で、俳句はこういうところも難しい。
付録に境涯二句:

  生涯の雨模様ならば虹を追ふ
  世にあれど独り小春の影法師
[PR]
by r_bunko | 2014-02-13 19:37 | アート
立冬上人
天の川のように流れるうす雲。
雲のせせらぎに浸った白い三日月。

秋明菊は先発の二輪が咲き終わり、新しい可憐な蕾。
石蕗は例年より早く黄色い輝きを見せている。
小鳥の植えたピラカンサは実を満載。食べるのはずっと先。

   ※

26年前(1987年)の立冬に、
犀川上流の河原で一個の石と出会った。
そこに籠もる一人の人物。

c0028055_22195093.jpg

立冬上人とも、小春和尚とも、犀川仙人とも。
面長で、窪んだ小さな目。
白いあごひげ、柔らかい背。

りんごのりんご上人は腐ってゆかれたが、
このひとは四半世紀後の今も石の中に籠もったまま。

   ※

その日は相棒の誕生日で、
一人の踊り子が犀川とアトリエでパフォーマンスをした。
集まったのは14人。

   山 河 や 人 体 し ろ き 秋 の 暮
   立 冬 の 河 原 の 石 に 夢 籠 る

c0028055_222028100.jpg

(写真上:立冬上人 2013.11.7 / 下:金沢舞踏館・白榊ケイ 1987.11.8)


 → 詩:石に眠るひと(貘祭書屋)
[PR]
by r_bunko | 2013-11-08 22:30 | アート
秋の影を抱く
小学校の榎の具合を見に行った。
雲一片ない空に、葉一枚ない木。
紅葉の季節まで保たなかったようである。
校庭に落ちた樹影をカメラに収めた。

c0028055_0404714.jpg

羅漢寺に足を延ばす。
閑寂な境内にモズの高鳴き。
メジロやコゲラの声がしたが、姿は見ない。
珍しいカエルの鳴き声も響いて、
でもみんなモズの鳴き真似じゃなかろうな。
羅漢たちの耳はどんなふうに聞いたか。
ドングリが一つ落ちた。

c0028055_0411575.jpg

羅漢場の奥の塀に木の影が映って、
「花」というふうにも読めた。

今日は野尻抱影の命日。
影に縁がある日になった。
夜は久し振りに星を観に出た。

  オ リ オ ン の 扉 を 開 く 抱 影 忌
[PR]
by r_bunko | 2013-10-30 23:38 | 北条石仏
中也忌
本日のTwitterより:

今日は中原中也忌。昔三年連続でこんな句を詠んでいた。
 1987 まづ一羽鴎の中也飛び来たる
 1988 鳴き急ぐ蟲の中也のよもすがら
 1989 秋の宙星の中也の見あたらぬ

鴎の中也は犀川桜橋〜下菊橋の堰堤に来たオオセグロカモメ。たった一羽でユリカモメに先がけてやって来た。冬はもうそこだ、と教えてくれた。うわずってなんかいられなかった。

2000年に妻がスズメのひなを拾ってきて育てた。「雀の中也」と題してホームページに育雛日詩を連載した。さすがに中也とは呼びにくいので、実際にはチュールと名付けた。そのときの体験は『天狗と雀』という作品になった。

 Amazon Kindle Store
 Apple iBookstore


    ※

散歩に出たなら、今日はどんな中也に会えるだろうか、
花の中也か、雲の中也か?
雲は空のほとんどを覆ってきたので、居ないだろう。
花なら、コスモスの中也が風に揺れているだろうか、
案外どんぐりの中也がぼとりと落ちてくるのかもしれない。
などと想像を楽しみながら、家を空けられなくて出不精した。
[PR]
by r_bunko | 2013-10-22 20:03 | 本・電子本
ふうら名月盃
c0028055_0373679.jpg

名月珈琲を仕立てて相棒が飲んでいるので、
こちらはふうら盃の記念撮影としゃれこんだ。
小さいのでなかなか月が入ってくれない。
やっと捕らえてもぶるぶる震えてむずかしい。
相棒はiPhone、こちらはiPad mini。
互いにミニライトでアシストしながら撮影したが、
カメラ性能はiPhone4Sに軍配が上がる。
で、画像は拝借した。

上の一枚は「月光術」と腹に書いてある。
下の一枚は「夢野の夢湖」と記してある。

撮影の後は、月光水をぐいっと呑ませてもらった。

c0028055_0372050.jpg

iTunesではmoonの検索で出た47曲を連続再生。
さすが月の曲はいろいろある。
ジャズ・ナンバーがほとんどだが、
クラシックの「Moonlight Sonata」から、
ブルースの「Shine On Moon」、
レゲエの「Pablo In Moonlight City」、
一青窈「月天心」というのもあって、全50曲。

この日は正岡子規没後111年の日でもあった。

  大 い な る 照 り 物 あ り て 獺 祭 忌
[PR]
by r_bunko | 2013-09-19 23:36 | 天文



詩と、絵と、ジャズと……星と鳥と……漂泊文庫便り
by r_bunko
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新の記事
三日月散歩
at 2014-07-29 23:47
四つ葉のふうら杖
at 2014-06-30 23:54
GWW —ボブ・ディラン
at 2014-05-24 23:50
田舎の細道 —ジプシー・スイング
at 2014-05-18 12:57
ときにはシュール
at 2014-05-11 22:51
金屑と薔薇でフラメンコ
at 2014-05-10 23:30
草の筆で描いた2
at 2014-04-20 23:59
草の筆で描いた
at 2014-04-16 19:07
草の筆いろいろ
at 2014-04-16 19:02
春は五感満開
at 2014-04-14 23:51
カテゴリ
全体
アート
音楽
本・電子本
獏・夢
自然
天文
野鳥
ふうら散歩
北条石仏
播磨
HP・PC・WWW
さまざま
タグ
(73)
(63)
(62)
(46)
(38)
(37)
(36)
(36)
(35)
(31)
(31)
(31)
(29)
(28)
(27)
(25)
(24)
(23)
(21)
(19)
(17)
(15)
(14)
(14)
(13)
(5)
(5)
(3)
(2)
(1)
以前の記事
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
more...
リンク
お気に入りブログ
絵的生活
他力本願!
書をつま弾く、そして歌う。
ふらんす堂編集日記 By...
マリカの野草画帖
イーハトーブ・ガーデン
詩画倶楽部
ギャラリーきのこ
絵てがみに だんだん
あぴあみのポッケ
粥彦
検索
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧