そこらの春、ここらの雪
散歩したいけれど、どこか体の遠くでちょっとふらつくので自制。
風も時々思い出したように意地悪吹き。
昨年から<そこらの春>ということを気に留めて、
メモのような、フィールド・ノートのような詩片を綴っていた。
それがそこらへも出かけられなくなって淋しく侘びしい。
で、隣の空き地へふらふらと出る。
列島が南岸低気圧の大雪に見舞われた14日も雪の中へ出た。
この辺はうっすらと斑に積もっている程度で、
それが文字や紋様に見えて面白そうだったのだ。
雪の降る中だから体もカメラも長居はできない。
素早く手際よくあちらへ回りこちらへ飛び、
誰か目撃していたら、変人の狂態に映ったに違いない。

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そして変人は、雪の獏と出会う。
体つきは見事な獅子、けれど鼻が長く伸びているので、これは獏。
その他にも撮った写真をPhotoshopでコントラスト調整すると、
雪の描いた文字が面白く浮かび上がって来た。

 詩と写真「雪文字」
 詩と写真「立春のロゼット」

そこらどころか、ここらに縮んでしまったけれど、病後の最新作。
それからこの度の大雪に触発されて、雪の小詩集を編んでみた。
雪国に住んでいた頃の詩編で、表紙は獏にお願いした。

 小詩集『雪・白墨記』

初めて大雪に見舞われた土地は大変だろう。
我が身はもう雪掻きなどとんでもないことになってしまった。
雪国の老人暮らしはさぞ厳しかろう。
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# by r_bunko | 2014-02-16 19:20 | 自然
十露三百六十五句
「十露一句」が一年、365句と一巡りした。
ひょんなことから始まって、飄々体でやったのが良かったのだろう。
最後は病床、病体であったけれど、そこは俳句の強み、
世界の一片、永遠の一瞬で事足りて、文芸は成立する。
まあ、出来映えはともかく、日記類の苦手な身としてはよく続いた。
何事も簡素、素心をこころがけているから、
俳句も淡口、薄味になる。とこれは体のいい言い訳で、
その上での深みが出せなかった、というのが現在の力量だろう。

ざっと振り返って、十句ほど選んでみた。

  野遊のこどもらみんな神隠し
  春昼といふ金色の湯舟かな
  雨二日あぢさゐ軽き躁に入る
  花南天雀の喧嘩のちーぱっぱ
  風鈴を吊るせば風が客となる
  空に鞭入ればいななく風の馬
  山盧忌や盆地を出でぬ草の絮
  朝寒やがらがらがらと妻歌ふ
  虫喰ひの穴は枯れずに日の光
  心根も大根も干して甘くせり

別の時に当たればまた入れ替わりがあるだろう。
けっこう迷いもあっての十句で、俳句はこういうところも難しい。
付録に境涯二句:

  生涯の雨模様ならば虹を追ふ
  世にあれど独り小春の影法師
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# by r_bunko | 2014-02-13 19:37 | アート
呼吸は生物の一大事
風邪を引いた。
風邪対策に今冬は反射式ストーブを購入したのに。
お湯が涌かせて、鍋が煮られて、加湿が出来て……

さて、禁断の風邪を引いて、寝込んで、病院に行って、
新たな薬生活ということになった。
気管支拡張の吸入薬の助けを借りての生活だから、
いよいよ待ったなしの晩年ということになる。
いまはまだ風邪も脱けておらず、咳も続いているので、
薬の効果による呼吸具合は計りようもないのが残念。

まあ、若い頃には野垂れ死に結構などと、
突っ張っていたのだし、覚悟は出来ているが、
独りではともかく、相棒がいるとなるとそうもいかない。
たったひとり全部の作品を読んでくれていて、
ずっと才能を信じて支え続けてくれたのだから。
やっておきたいことはいっぱいある。
電子本作りもその大事であるけれど、
これがなかなか認知されず、茨の道がどこまでも。
 
   ※(追記)

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久々の遠出は山の上の病院。
その敷地から見た懐かしの蝸牛山。右に世界最大の地球儀時計。
東の散歩コースはこの界隈、山向こうの丸山公園、手前の谷田池。
カワセミ、イカル、ミヤマホオジロ、アカゲラ、ルリビタキ、ベニマシコ、
去年はウソやキクイタダキにも出会ったし、ヨタカやトラツグミもいた。

カラスウリ群落も、サザンカ市もこのあたり。
スズメウリの飾りをまとった小さな杉のクリスマス・ツリーがあったり、
暗い杉林の中に咲く背の高いコブシが人知れず満開だったり、
とびきり美声のアオジが、麗しい歌を聴かせてくれたりもした。

冬から春がそういったシーズンだけれど、今年はまだ訪れていない。
病院通いの二度、遠目に眺めただけ。
帰りに元気があったら蝸牛山経由で散歩、という案は、
寒さと風の冷たさで断念。気温がまったく上がらない。

薬はさらに一つ増えた。予想より一段悪い。
二週間後にいろいろ精密検査があるものの、一段覚悟を引き上げる。
呼吸は生物の一大事だとつくづく思う。
わが呼吸はいつかは止まるのだろうが、詩や俳句や絵の作品、
電子本の一冊一冊に、いつまでも新鮮な呼吸をとどめたい。
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# by r_bunko | 2014-02-10 22:33 | さまざま
立春のロゼット
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暦の上で春は立ったが、空からは雪がひとひら、ふたひら。
雲は広がって厚く、風は冷たい。
それでも時折陽射しがあるのが播磨のほっとするところか。

隣の空き地で、立春のロゼットを巡ってきた。
パッと見てすぐに何の、と判別できるものは少ない。
オニノゲシ、オニタビラコ、タンポポ……。
ここは少し草丈が高くなると除草剤を撒かれてしまうので、
一年を通しての草の盛衰を追えず、その分印象も薄い。
ロゼット植物はこんな環境が好きなようである。
いまここで花を着けているのは、ナズナと、
よく見れば地面に這いつくばって可憐なトキワハゼ。
カンサイタンポポで花が萎れたのが一株、
綿毛を寒風に晒しているのが一株あった。

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立春の旅(散歩)をしてみたいけれど、病み上がりは隣がせいぜい。
雲は分厚く西から流れるのと、薄くて速い南からのが交差する。
慌ただしい空にしろじろとした繊月が出たり隠れたり。
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# by r_bunko | 2014-02-04 18:32 | 自然
朝の雀、夜の月
こんな寒い時に昼夜ひっくり返っている。なかなか直せない。
例年炬燵で過ごしていたのを止めてから、
昨シーズンはまず足が霜焼けに、
足を湯たんぽ対策で温めている今シーズンは右手の指がやられている。
ロジクールのマウスが冷たいんだよなぁ。
血行を良くしないと。
ジャンゴやレゲエを聴いて、とかではなくて。

ここは内陸で毎夜氷点下には落ちる。
去年はマイナス8度というのがあった。
暖かい地方へ来たつもりが、(海に近い)金沢より寒い。
天気がいいのが取り柄。でも寝ていてはなぁ。

朝、元気ないい声で餌を待っている雀たち。
ばらまいた粟を嬉しそうに、美味しそうに食べているのを見ると、
長生きしたいなあ、と不意に思ったりする。
こういうことだけでもいいんだよな、生きていると。
そう思うこちらより、
喧嘩もしながら食べ合っている雀たちの方がよっぽど短命なんだが。
がんばれよ。

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夜は、今年最初の満月。
最遠の月でもあるらしい。
綿雲のようなのをかき分けて、七色に染め上げながらゆく。
恒例として、
相棒さんはカップを持ち出し満月茶、
こちらは月の零してくれる自分の影を確認。
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# by r_bunko | 2014-01-16 23:37 | 天文
レッド・ピープル
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本の案内所「プレセペ」に続いて「Atelier Maajo」の陶像ページをリニューアル。
Twitterから:

音座のレッド・ピープル野焼き像ページを独立させた。まだ少し残っている。今夜の仕事。

二人でネイティブ・アメリカン関連の本を色々読んでいた頃は、悲劇的な歴史を記述したものばかりで、気が滅入りながら、人類不信に陥りそうになりながら……。それだけに金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』はわくわくして読んだ。

ネイティブの血を引くリンダという女の子が貸してくれた洋書の大冊『Seven Circles』がすばらしく、まるごとコピーさせてもらって大事に持っていた。文章があまり読めなくても、図版が多く面白かった。

チャーリー・パーカーにもレッド・ピープルの血が流れている。「チェロキー」「モホーク」を聴いてみよう。

確か、ジミ・ヘンドリックスもネイティブの血を引いていたはず。
ザ・バンドのロビー・ロバートソンはカミングアウトして、
「Music For The Native American」という素晴らしいアルバムを作っている。
ジャズでは、リック、リーのロジー兄弟のフリー・フォームのアルバムがある。

本で感銘を受けたのはナヴァル・スコット・ママディ『レイニ・マウンテンへの道』。
この本がまさしくレッド・ピープルへの道を拓いてくれたのだった。
それから白人ではあるが長い交流をプエブロ族と持つ、
ナンシー・ウッドの『今日は死ぬのにもってこいの日』。
野焼きを始めた後に読んだけれど徳井いつこの『スピリットの器』。
本棚から幾冊か抜き出してぱらぱら繰っていると、
蕪村と賢治から学んだと思っていた<世界のディテール>へのこだわり、
(まあ、愛といってもいいのだろうが)
(幼いトウモロコシをだいじに世話する雨雲のような)
そこにネイティブ・アメリカンのスピリットも投影しているのに気が付いた。
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# by r_bunko | 2014-01-06 23:36 | アート
二日月と獏の木の雲
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今年は元旦が新月に重なったんだっけ、と思い出して
勝手口のドアを開けると、向かいの屋根の上に白く細い月。
月齢1.89。
なにやら年も月も若々しい。

が、それより目に付いたのは珍しい雲。
相棒の描いた「ばくの木」の一本によく似ている。
雲の獏とは何度か会っているが、
獏の木の形は初めて。いいお年玉だな。

  ※

昨年から格闘していた詩集『夢と天然』がようやく完成。
表紙は金沢犀川辺で観た夜明けのヘールボップ彗星。
これぞ夢と天然の風景として大切な一景。
そしてこの夕暮れ風景もまた夢と天然一如の景であるか。

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 夢と天然 図書カード
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# by r_bunko | 2014-01-03 22:01 | 自然
A Happy New Year 2014
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新年、外に出てまず目に入ったのが、オリオンの扉。
それからつぶつぶと葡萄の房のように見えるスバル。
西岸寺でまず獏の鐘を撞かせてもらって、
向かいの大信寺、あでやかな鐘楼の酒見寺と鐘のはしご。
住吉神社は初詣客の長い列が出来ていたので、
足を延ばして羅漢寺へ。こちらは静か。
ローソクだけの灯りで三脚を構えて石仏を撮っている方がいた。

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紙コップに何か願いを、と渡されて「吟遊」と書いた。
昔からの夢・憧れの言葉だけれど、
もうそこまでの体調は望むべくもないから、
せめて電子本がWebを通して巡ってくれればと思う。

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住吉神社に戻ると人の波は引いていて、すんなりお参り。
おみくじは吉。
  うぐいすの谷戸を出入る声のして軒端の梅も咲き初めにけり
歌だけ覚えて笹に結ぶ。
お神酒、甘酒に預かって、帰る頃には星は姿を消していた。
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# by r_bunko | 2014-01-01 03:28 | 播磨
3度Kの温かさ
故郷は相変わらず異郷のよう。
幼い頃から狭い土地を転々として、いつもよそ者だったからか。
他郷にいれば落ち着く妙な放浪者気質になった。
だからどこかに移りたいと思うけれど、
なかなかその方策も立たない。
十年の流寓に似た暮らしを続けてきて、
ようやく気持だけはふんぎりがついてきたかもしれない。
多くのものを棄てて諦めた上のことで、
どれだけ淡々と薄味にやっていけるか、
言ってみれば宇宙の絶対温度3度Kの温かさ。
それがこの広大宇宙の愛であり、
あまねく仏の慈悲であろうし、
哀しくとも辛くともなお
生きようとする者の本源にあるエネルギーのように思える。
微かな(幽かな)感知しがたい、
虚とも実とも計りかねる領域を信じて、
棄ててもなお残る大事なものがあるならば、
それをこつこつとやっていくしかないだろう。
天命は天しか知らぬ。
地にある者は未完の読点に向かって歩むのみ。
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# by r_bunko | 2013-12-31 23:11 | さまざま
天文の呟き
天文の呟き —Twitterより

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ラブジョイ彗星昨日よりはっきり。天頂は首が疲れる。アイソン彗星は雲が去るのを待って。スピカのずっと南で、見つけるのに手間取った。(11.19)

ラブジョイ彗星はよいこ。月明かりでも鮮明。昴、ヒアデス、髪の毛座のMel.111など、美しい星団を観て回る。(11.23)

アイソン彗星が蒸発。淋しいねー。でも水星を連日観たし、思い出の彗星になる。(11.29)

双眼鏡を持って表へ。月齢27の月が地球照で美しい。ラブジョイ彗星もすぐに見つかった。ぼん、と弾むように飛び込んでくる。天頂のプレセペ、ぎょしゃ座のM37、ふたご座のM35などの星団。凍てつくような寒さで顔が痛い。部屋に戻って、かじかんだ手を温めながらのカップヌードルがおいしい。(11.30)

HP貘祭書屋に11月18日の星空の詩「天空祭 —アイソン彗星」を掲載。(12.1)
http://rokkaku.que.jp/baku/poem/astropoem/ison.html

三日月と金星。年内の宵の明星をとくと観ておこう。( 12.6)

アイソン彗星は消えたけれど、長年探していた鈴木壽壽子「星のふるさと」が他市の図書館から巡ってきた。火星を観たくなるなあ。(12.9)

嵐の間に『星のふるさと」読了。昇るからす座の十字だとか、シリウス〜ベテルギウス〜アルデバラン〜リゲルの春の平行四辺形だとか教えてもらった。

みなみのうお座のフォマルハウトは「木守りさま」というのもすてきな見立て。だからか中国名の北落師門を、つい北落柿門と書き間違えるのは。(12.10)

外は氷点下なのに表へ出てしまった。流星四つ。びゅっと短く速いのが天頂にまず一つ。次に東の遠くへはらはら落ちるのが二つ。最後は双子座流星群らしく、明るく端麗なのが長い軌跡を描いて。(12.14 未明)

双子座流星群の中継で二つ見た。結構飛んでいるようなので、つれあい共々重装備で表に出ると、一面の薄雲に淡い月だけがぼんやり。(12.14 深夜)

西はりま天文台の出前観望会が町に来ているのに全天の雲。こどもたち可哀想だね。クリスマスツリー星団も雲の彼方。(12.22)

彗星は昔コンピュータとともにやって来て、電子本の道を一緒に歩いてくれた。
ことしまた、新たな彗星が電子本の新時代に現れてわくわくさせてくれた。
(写真は11/23のスピカと水星。アイソンもいるはずだが)
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# by r_bunko | 2013-12-23 23:59 | 天文



詩と、絵と、ジャズと……星と鳥と……漂泊文庫便り
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