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秋の影を抱く
小学校の榎の具合を見に行った。
雲一片ない空に、葉一枚ない木。
紅葉の季節まで保たなかったようである。
校庭に落ちた樹影をカメラに収めた。

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羅漢寺に足を延ばす。
閑寂な境内にモズの高鳴き。
メジロやコゲラの声がしたが、姿は見ない。
珍しいカエルの鳴き声も響いて、
でもみんなモズの鳴き真似じゃなかろうな。
羅漢たちの耳はどんなふうに聞いたか。
ドングリが一つ落ちた。

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羅漢場の奥の塀に木の影が映って、
「花」というふうにも読めた。

今日は野尻抱影の命日。
影に縁がある日になった。
夜は久し振りに星を観に出た。

  オ リ オ ン の 扉 を 開 く 抱 影 忌
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by r_bunko | 2013-10-30 23:38 | 北条石仏
暮鳥旧蔵の千家元麿詩集
もう一つの10月22日。
ホームページにかつて掲載していた一文を再掲する。
本にまつわることばかり綴ったエッセイ「文庫草誌」より:
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 古書展に久し振りに行った。「月の光」「真夏の星」と天体タイトルの本が星好きの目につく。前者は明治31年発行の月を巡ってのアンソロジー。月の科学から歴史・民俗・文学までを扱った小冊子。後者は千家元麿の詩集であった。なあんだと思いつつ、巻末ページを見て「あれ?」。細いブルーブラック・インクで「やまむらぼてう」と丁寧に署名してある。1924.10.22 の日付とともに。詩集の発行日は同年の9月20日。暮鳥が没したのが、12月8日。するとこの本は、死の一ヶ月前に購入して病床で繙いていた遺品ということになる。ちょうど『雲』の校了にかかっていた頃。
 そんなものが今頃こんなところに出回るか、遺族が処分するか、結核だったから当時ではあり得るかなど思いはぐるぐる巡って、さてどうするか。この本の持ち主も貧窮していたけれど、巡り会ったこちらもすこぶる懐は寒い。哀しいね、縁だねと、千家も含めての一本の糸を、一日迷った後手繰り寄せた。

     ※

そうは書いても、いまでも暮鳥の蔵書だった、というのは半信半疑である。
あいにく暮鳥の筆跡にも詳しくないので判別できない。
もしや、と思ってネット検索すると校正原稿の自筆が一つヒットした。
それと照合する限り、「ま」「て」の二字が同じ筆跡に見える。
サインの佇まいのようなもので本人の字だと直感したにすぎなくて、
それよりも暮鳥の蔵書が手元に巡ってきたことの方が信じ難いことなのだ。

巻末には蔵書印と思しき印もある。
哀しいかな、これが判読できない。
元麿か暮鳥の雅印か、後の所蔵者の遊印か。
どなたかご教示願えたらありがたい。

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by r_bunko | 2013-10-23 00:05 | 本・電子本
中也忌
本日のTwitterより:

今日は中原中也忌。昔三年連続でこんな句を詠んでいた。
 1987 まづ一羽鴎の中也飛び来たる
 1988 鳴き急ぐ蟲の中也のよもすがら
 1989 秋の宙星の中也の見あたらぬ

鴎の中也は犀川桜橋〜下菊橋の堰堤に来たオオセグロカモメ。たった一羽でユリカモメに先がけてやって来た。冬はもうそこだ、と教えてくれた。うわずってなんかいられなかった。

2000年に妻がスズメのひなを拾ってきて育てた。「雀の中也」と題してホームページに育雛日詩を連載した。さすがに中也とは呼びにくいので、実際にはチュールと名付けた。そのときの体験は『天狗と雀』という作品になった。

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    ※

散歩に出たなら、今日はどんな中也に会えるだろうか、
花の中也か、雲の中也か?
雲は空のほとんどを覆ってきたので、居ないだろう。
花なら、コスモスの中也が風に揺れているだろうか、
案外どんぐりの中也がぼとりと落ちてくるのかもしれない。
などと想像を楽しみながら、家を空けられなくて出不精した。
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by r_bunko | 2013-10-22 20:03 | 本・電子本
そこらの秋ー2
そこらの秋、そこらの里の良さはやはり柿の木にある。
実も葉もいい。木の姿もいい。
実に墨で描いたような模様の出る一木があって、
今年も自然の墨象展を楽しんだ。

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帰り道、ひょっとしてと遠回りすると、マツムシの独奏。
しばらく聴き惚れた。白い夕月とよく釣り合った。
その後、相棒はツリガネニンジンを訪ねに、
こちらはオニバスの池にと、坂の上下に別れて探索。

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池の風情も年々変わる。
オニバスは池の南半分を埋めていて、
昨年から北の一部にハスが生えてきた。
枯蓮の今頃はミロの絵画のような風景。

ツリガネニンジン隊が確認を終えて合流してきた頃には、
山際にすとんと太陽が落ちていた。
播磨風土記1300年の賀毛の里の秋の落日である。

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by r_bunko | 2013-10-14 23:50 | 自然
そこらの秋ー1
冬籠り、微粒子籠り、梅雨籠り、夏籠り……
と続いて、足腰も呼吸力も弱くなったようだ。
今年は夏冬ともに厳しく長かったので、無精を極めた。
うかうかすると秋も去ってしまうので、
台風籠りになる前にぶらりと散歩に出た。

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イヌマキが赤く熟していた。
一粒口にしたいと願って、
よく見れば一つの花床に二つの種子。
そんな奇形のものが幾つかあって、甘味は諦めた。
さらに小さな先客が一匹。
殻の直径四ミリほどのカタツムリ(写真中央)。

道端のノコンギク、イヌタデ、ミゾソバ。
畑には取り残されたナスやトウガラシやオクラ。
ほとんどの田は稲刈りを終えて、
黄色に輝くのはあちこちに群生するセイタカアワダチソウ。
ススキやセイタカヨシなどの穂は風もなく動かない。

山の天辺の梢でモズが高鳴き。
妙な飛び方のキチョウとも遭遇した。

権現平のキリは実をいっぱいつけているようで安心。
猪用の金網が張り巡らされて山池へは立入禁止なので、
キリの木と共に夕日を拝むことが叶わなくなった。

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by r_bunko | 2013-10-14 23:33 | 自然



詩と、絵と、ジャズと……星と鳥と……漂泊文庫便り
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